( ( ) ( ( A f #010 辰巳博康 編

工芸と工業の二軸を使って、堺打刃物「ギルド」をどう変えていきたいのか

■プレゼンター:辰巳博康
包丁の持ち手をつくる職人の家に生まれて、幼少期からモノづくりが日常の中にあった。
大学では建築を専攻し、友人らとともにシェアハウスをセルフビルドするなど、自分がやっぱりモノづくりが好きでそれを仕事として生きていきたいと再認識する。

卒業研究、修士研究では、地元堺の地場産業を扱い、大学で学んだ都市計画やまちづくりの視点から、伝統的地場産業のまち「堺」の今後の可能性を模索した。

ルーツ
物心ついた時から工場で楽しいおもちゃを見つけてきた。
大学で自分たちでシェアハウスを作ったときに、ものづくりで生きて行いきたいと気づく。
大学院では職人の修行とデザイン事務所の両方で働いてみた。

■トピック
① リアルな【地場産業】の印象
学生時代には見えなかった問題の具体化

「鍛冶屋さん→刃付屋さん→柄屋さん」というように包丁一本を堺のまち全体が分業で600年以上つくっており、幼少期から馴染みある工場に職人さん達が出入りする状況や環境を残したいという思いが芽生え、修士研究では堺の技術力で伝統工芸のプロダクトを新しく堺として更新する方法を模索した。

堺は深刻な後継者不足を抱えているが、実情は若者が入ってこないのではなく、作業に飽きてやめている。
手工業化する中で、手作業と機械作業が入り混じり、職人の機械化のような状況さえ生まれてきている。
今の職人としての「やり甲斐」を更新すること、生産するものではなく、職業そのもののアップデートが必要だと実感する。

② 国内外の刃物産業のギルドの変遷
他の地場産業から見た堺打刃物の特性

新潟 燕三条
生産拠点の工場化 大きな工場にサラリーマン的に働きにいく。

岐阜 関(世界三代刃物産地)
分業は残っているが、機械化しやすいところは工場化が進み、そこの経済的循環が強まると、逆に小さな工場は消えていっている。

兵庫 三木
農器具などを生産していた他業種が包丁産業に参入してきている。

ドイツ ゾーリンゲン
ナイフなどを製作していた会社が、他のフライパンや鍋などのプロダクトの生産に変化。

イギリス シェフィールド(世界三代刃物産地)
都市計画的に職人を集中させることで職人街を形成。

大阪 堺
現在はまだ、職人が多く、機械化できない技術力に注目が集まっている。
仕事がまだたくさんあるが故に、工業化のムードも出てきている。
しかし、消費・経済ではないところにプライオリティーを置いた、堺ならではの更新の方法を自分は模索したい。

③ 工芸(自分主体)と工業(他者主体)

職人さん同士の横の繋がりがない
包丁を作るネットワークを残しながら、作るプロセスやメンバーを変化させることでできる発展のさせ方で堺の包丁をアップデートしたい。

④ケンチクと刃物職人の領域を横断する
プロジェクトを工芸と工業で分けること

模索中の活動例
・製作工程の中で捨てられる水牛の角の端材でネックレスをつくる
・和牛で包丁の柄をつくる
・Apple Pencilのカバーをつくる  ect..

■ディスカッション

・機械でもできる?AIの台頭によって人間の仕事が機械に置き換わる中で、人間にしかできないものを自覚できているのかどうかが重要。
・やり甲斐=人に必要とされているのかどうか。 場所・コンテクストを変えることにも可能性がありそう。
・実演販売で高いものを売ることもできそう。
・バーミキュラのようなどん底を知った町工場でないと、逆に更新のモチベーションが生まれてこない?
一人で何かを突き詰めていきたいという職人の気質が、変化と折り合いがつかない場合もあって、単純な売り上げをあげることでもなく、今いる職人さんの職業とアップデートとなると、問題のデリケートさと複雑さがその根底にある分、問題を明確化する必要がある。
・職人もB to B → B to C へ形態が変化している。
・職人さんもこれからの新しいカタチがまだ定まらない中で悶々と模索している状況がある。
・こんなに楽しい職人業みんなもすればいいのに!って正直思っている。
・職人ってそもそもなんなのか、機械を操ることの専門性もこれから高まっている中で、職人の定義そのものも考え直す必要がある。
・PRの力も必要? コロナ以後、人々が分散する中で加速する動きからプラットフォームのあり方も更新が必要。
・若い人が続くか続かないかという問題は、職の魅力の自覚の問題もある。世の中にとって何を提供できているのか、その時々のしんどさではなく、その先にある社会貢献性をみんなが自覚できることが重要。
・一回社会経験をしてから、職人になるというシナリオもある。 料理人と職人の職業交換体験のようなプログラムもあるのかも。
・薄い情報をばら撒くような発信ではあまり意味を実感できない。
・職人という言葉を掘り下げると、身体性とつくりだされるものが切り別れてないようなニュアンスを含んている気する。
・経済圏の領域の規定にもポイントがある。
・海外の人にも通ずる魅力として、手作業で同じ体の人が職人の技によってつくっている姿そのものが、人の普遍的な興味や魅力を惹きやすい実感はある。 ect..

▽当日の動画がこちら
https://us02web.zoom.us/rec/share/MAgcPu3zsR8hn6aD_iNIVCCzcqPwxUblWcwJjO_WPB0LeLWVmHYrvSUtwWlHZZjn.ukNmf3SGFLScuoKI?startTime=1611739378000

cocca radio #003~006

日常の雑談を記録し、公開する、cocca radio。
今回は3~6回目。

Recording date:
#03 cocca radio  2020年2月19日(金)
#合理主義 #ゴール設定 #時間軸がのびた #続けないといけない #ゴールって必要か #新梅田商店街 #ユブネ #コンセプト病 #日常の雑味 #ルーティン破壊 #サウナ #脳への刺激

#04 cocca radio  2020年2月19日(金)
#時間軸 #不確実性 #アフターコロナ #エンジニア的側面 #会話の誘導 #アンテナ壊れる #会話することで見えていくこと #アドラー心理学 #見えてるゴールにあえて乗らない #あまのじゃく #環境が人をつくる

#05 cocca radio  2020年3月5日(金)
#ふんが #心の汚さ #2.3mmの違い #視界の焦点 #言うに値しない #今津おばちゃん説 #雑談のなかの愛 #相手の反応 #ギリギリを探る #ゲーム #ユブネ #東さん #雑談力 #瞬発力でしゃべらない #感情との区別 #自分との対話 #nvc #咀嚼してると無表情 #飴ちゃん配る #らしさなバイヤス #ならではの押し付け #ならではの境界

#06 cocca radio  2020年3月5日(金)
#個人と組織 #別もの #カルチャーマネジメント #ティール組織 #変革の時期 #coccaとはなんぞや #実体があってないもの #継続するためのシステム

speaker:
今津修平(株式会社Muff 建築家)
濱部玲美(株式会社KUUMA 企画編集者 )
北川浩明(株式会社文化工学研究所)
川上真誠(クラウドアーキテクツ 建築家)
東善仁(株式会社ユブネ)

cocca radio #03~06:
ラジオはこちら

cocca radio #002

日常の雑談を記録し、公開する、cocca radio。
今回は2回目。

Recording date:
2020年2月5日(金)

speaker:
今津修平(株式会社Muff 建築家)
濱部玲美(株式会社KUUMA 企画編集者 )
川上真誠(クラウドアーキテクツ 建築家)

cocca radio #02:
ラジオはこちら

#雑談 #錬磨学 #自分の軸って

cocca radio #001

cocca radio

日常の雑談を記録し、公開する、cocca radio。

COCCA ninomiyaを運営する3人で、始めてみました。
毎回15分の雑談ラジオ、隔週で更新予定です。

Recording date:
2020年1月22日(金)

speaker:
今津修平(株式会社Muff 建築家)
北川浩明(株式会社文化工学研究所 建築家)
濱部玲美(株式会社KUUMA 企画編集者 )

cocca radio #01:
ラジオはこちら

#自己紹介 #COCCAってなんだ #修さん照れ気味

COCCA こぼれ話 #001

2020.08.22.sat

今の世の中には、いろんな括弧が多すぎる。
時間、お金、空間、組織、世代、国籍、性別。
あらゆる括弧をはずすと、もっと楽しくなる。
そんな有機的なプラットフォームで、さまざまな実験をするCOCCA。

ふとした昨日の会話の備忘録。

COCCAのチームは、ほとんどがフリーや起業している。そんな面々が各々の思想や技を融合しあい実験をする。目に見えているものだけを追いかけて確定要素を積み上げるのでなく、アンコントロールなものとの付き合いを大事にしたねーなんて話している。

こんな働き方のプラットフォームは目新しくはない。そろそろこんな働き方は当たり前になってくるだろう。

何を次の世代に、残せるか。

そんな会話が、お金というわかりやすいゴールを抜きにして語られるのが面白い。